野球関連トピックス

田中将大180万円ファンクラブに見る選手のブランディング

こんにちは。

楽天イーグルスが田中将大投手個人の公式ファンクラブ「マー君クラブ」を開設し、大きな話題を呼んでいます。

何がそんなに話題なのかと言いますと、10人限定でなんと年会費180万円のコースがあるのです。しかも受付開始すぐに定員となり募集終了となるなどファンの反応の良さもトピックスとなりました。

年会費180万円ファンクラブ設定の狙い

まず、「マー君クラブ」のコースは下記の2種類です。

10名限定「マー君クラブVIP(年会費180万円)」
1,000名限定「マー君クラブ(年会費18,000円)」

VIP 180万円×10人=1,800万円
18,000円×1,000人=1,800万円
合計で会費売上は3,600万円です。

それでも田中投手の年棒9億円から見ればわずか4%に過ぎません。
田中投手の背番号18にちなんで180万円なのでしょうが、18万円じゃなくて180万円とは思い切りましたね。それなら募集人数も18名にしても良かったのに。いずれにせよ「180万円でも安かったのでは」と言われるほどです。

次に、気になるその特典内容を見てみましょう。

マー君クラブVIP各種特典

VIPグッズ特典

1.田中将大選手直筆サイン入りプロモデルユニフォーム(特製額・シリアルNO入り)
2.田中将大選手プロモデルキャップ
3.MT18×New Era プルオーバーフーディ―

VIPチケット特典

「1-Day Premium VIP Ticket」1試合ご招待
・ご来場時:スタジアム正面最寄りのVIP駐車場をご利用いただけます。
・試合3時間半前頃~:スタジアムバックネット裏席で楽天イーグルスの試合前練習見学
・試合開始まで:VIPルームまたは同等のお部屋でおくつろぎいただきます。
・試合中:特等席にご案内、ご観戦をお楽しみください。
・試合終了後:試合終了30分後、フィールドにご案内し、ご参加いただいた皆さまで記念撮影

VIPその他特典

1.田中将大選手 限定数記念グッズ 先行購入権利
2.田中将大選手ホーム登板日 試合球1個プレゼント
3.マー君クラブ(18,000円)の全特典

マー君クラブ各種特典

スペシャルグッズ特典

1.マー君クラブ限定デザイン 田中将大MyHEROタオル
2.MT18×New Era キャップ

スペシャルチケット特典

田中将大選手登板日 完売日でもチケット購入権利
チケットが完売になっている試合日でも、田中将大選手が先発登板すると決定した試合は、マー君クラブ会員に限り、通常は販売しないお席のチケットを同伴含め最大2枚までご購入いただける権利です。

スペシャルイベント特典

1.田中将大選手ホーム登板日 試合球を18名様に抽選でプレゼント
2.田中将大選手 ホーム登板日 「マー君とオンラインわしほー集会」イベント参加権利
田中将大選手がホーム一軍公式戦に登板し、勝利投手となった試合で、試合後に会員様限定で実施する5分程度のオンラインイベントです。


という特典内容になります。

田中投手の登板日のチケットが完売でもチケット購入できるというのはすごいですね。

そして、ここからはあくまで自分の主観です。
特典内容が盛りだくさんに見えますが、実はサービス1つ1つを見るとそこまで手間も費用がかかってないですね。
つまり楽天さん商売上手だなと。

特典グッズは確かにハイクオリティですが年会費を考えれば高くありませんし、スペシャルイベントも試合日にオンラインでの開催と選手にとっての負担も大してありません。
正直コロナ禍でなければ、ホテルで最低2時間くらいのイベント内容で握手とツーショットくらい付かなければ180万円も出しているのに割に合わないです。

しかし、それでも180万円という超強気のコース設定には楽天球団にとって「行ける」という確信があったようです。

楽天球団コメント
「田中選手が入団すると発表されたとき、年間シートの契約数やグッズの販売が急激に伸びました。さらに『TEAM EAGLES』の新規入会も増えました。予想をはるかに上回るお客様の反応を見たときに、本当にスーパースターが帰ってきたんだな、田中選手がファンにとって特別な存在なんだなと実感しました。」

これが何を意味するところか。

それは「田中投手のブランディング」を理解した施策だということです。

コロナ禍における選手のブランディングを利用した球団のビジネス

まず、今回の田中選手の個人ファンクラブ設立の背景には、コロナ禍によって球団の売り上げが激減したことを受け、興行以外で収益化できる手法を広げる必要があったという点です。

しかし、野球選手は歌手やアーティストと違って成績や故障のリスクが大きく影響します。

いくら高額な会費を払って個人ファンクラブに入会しても、例えばシーズン中に不振が続けば二軍に落ちるでしょうし、怪我をすれば試合に出られない、また怪我の程度によってはシーズンを棒に振るリスクも含まれるわけです。
その場合は会費を返還するのかと言われても、それに応じてはビジネスとして成り立ちません。
※コロナで試合自体ができない等は別問題として

それでも田中投手に180万円のファンクラブ設立ができたという点には、マー君ブランディングがすでに確立しているからに他なりません。

田中投手は昔と比べて日本でも数少なくなった老若男女誰もが知る野球選手
また2013年は24勝0敗&楽天日本一で東日本大震災の爪痕が残る東北の人々に勇気と希望を与えたヒーローでもあります。

たとえ今年、ファンの期待に応える活躍ができなくても、楽天にいてくれるだけで価値がある=マー君ブランディングが高額なファンクラブを成立させているのでしょう。


今までは球団・チームとしてのブランディング形成を考え、さまざまなファンサービスをしてきました。しかし、今後は選手個人のブランディングにも目を向けてファンサービスやビジネスを考えていくフェーズに入ってきたのだと言えます。

それを楽天球団はよく理解しているのです。

楽天球団コメント
「球団が今のコロナ禍でも健全な運営をするために頑張っていかないといけない。価格が高くなってしまっても、そこにお客様のニーズがあればチャレンジしない理由はないという思いで、今できるサービスを試行錯誤して考えています。」

選手のブランディングが査定や契約にも重視される

田中投手が在籍し戻ってきたのがビジネス感度の高い楽天だったからというのもありますが、これからは各球団が選手のブランディングを意識した考え方が求められます。

選手のブランディングは成績だけでは語れない部分があります。
成績はそれほどでなくても人気がありグッズの売り上げが高い選手だっています。
また寄付などの社会貢献をしている選手などは、選手自身だけでなく球団自体のイメージも向上させる事につながります。
逆に成績がどんなに良くても素行不良の選手であれば、特に今の時代は球団にとってもマイナスイメージに働きます。

野球選手や他の競技のアスリートでも、企業や商品のCMに起用されるのは、その選手個人のイメージ=ブランディングが、広告対象のブランディングに対しても良い影響を与えるからです。暴走癖のある選手が自動車保険の広告には間違っても出ないですよね。


球団は成績だけではなくその選手が持つブランディングもしっかりと評価しないといけない時代になっています。それが契約更改やFAでの交渉の場でも議題に上がってくるでしょう。

なぜなら、選手のブランディングが球団のブランディングとマーケティングにも繋がって行くのですから。


今回の田中選手に追随して、他球団でもスター選手であれば個人ファンクラブを設立する球団が出てくるかもしれません。

もっとも他球団の現役選手で高額ファンクラブができるのは巨人の坂本選手くらいかなと思います。
あと引退した黒田投手がカープに復帰した時であればそれなりの反響があったかもしれませんね。

今回は「選手のブランディング」について思うところを自分の考えるままにざっくり書きましたが、これはもっと深掘りできるテーマだと思います。
また書く機会があれば書きたいと思います。

こちらの記事もあわせてどうぞ

-野球関連トピックス
-, , , ,

Copyright© ナナヨミ ブログ , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.