野球関連トピックス

ユニフォームにおける日本とメジャーのオフィシャルサプライヤー事情

2020年シーズンよりメジャーリーグのオフィシャルサプライヤーとして全30球団のユニフォーム提供がマジェスティック・アスレチックからナイキに変更になります。

メジャーリーグでは全球団のユニフォームが一社独占提供されるのです。

※正確にはジャージーがマジェスティックで帽子はニューエラ、ソックスはスタンスと分かれています。

今回は日本のプロ野球とメジャーリーグのオフィシャルサプライヤー契約の違いについてお話しします。



目次

  1. 日本プロ野球の黒船マジェスティック社
  2. MLB一括契約によるビッグビジネス
  3. グッズの覇権を握るファナティクス社

日本プロ野球の黒船マジェスティック社

日本のプロ野球(NPB)では球団ごとに個別にスポーツメーカーとユニフォームのオフィシャルサプライヤー契約を結んでいます。

各球団のユニフォームオフィシャルサプライヤー(チームの順番は2019年シーズン順位)

セ・リーグ
✔︎巨人:アンダーアーマー
✔︎DeNA:デサント
✔︎阪神:ミズノ
✔︎広島:ミズノ(ホーム)、デサント(ビジター)
✔︎中日:ミズノ
✔︎ヤクルト:マジェスティック

パ・リーグ
✔︎西武:マジェスティック
✔︎ソフトバンク:マジェスティック
✔︎楽天:マジェスティック
✔︎ロッテ:マジェスティック
✔︎日本ハム:ミズノ
✔︎オリックス:デサント

ご覧の通りマジェスティックが勢力を拡大しています。まだ日本では知名度の低いスポーツメーカーですがアメリカでは40年以上の歴史があります。
まず楽天が2014年シーズンからマジェスティックと契約。そしてわずか数年でNPB12球団中、5球団と契約を結びました。

うーむ、パ・リーグはシェアだけでなくチームの戦力ともリンクしていますね。カープはホームとビジターで変えています。大人の事情で分けることで決着したのでしょうか。

日本では、球団の親会社とスポーツメーカーそれぞれのビジネス的な関係性もあり、運営団体である日本野球機構(NPB)がサプライヤーを一本化していません。もっとも興行に関すること以外の事業のためノウハウも乏しく、そもそも日本では一本化する必要性やメリットがないからです。

もちろんオフィシャルサプライヤーの決め手となるのは製品のクオリティもありますが、球団にとってスポーツメーカーはビジネスにおけるパートナーシップです。

例えばサッカー日本代表の公式サプライヤーであるアディダスのショップに行くと、特に国際試合が近づいた時などレプリカユニフォームをショップの一番目立つ場所に陳列して販売していますね。


そもそも、マジェスティックは野球用品メーカーではありません。

ミズノやナイキなどと違い、バットやスパイクなどの野球をするための用品は取り扱っていません。ユニフォームとスポーツウェアが中心です。

その中でもなぜマジェスティックが選ばれたのか?

それは、ハンガー1本から球場内の売り場作りに注力し、ファンに対してアイテムをどう見せてどう売るかを考えるセールスプロモーションが得意だからです。

また、トレードなどで選手を緊急獲得した際、発表の翌日には行われる入団会見でもう名前と背番号入りのユニフォームが用意されています。

「仕事早っ!」と思いながら見ているのですが、これも球団のいかなる事情にも即対応し製品を製造・提供するための最先端のテクノロジーと設備を備えているからこそです。


グッズで一番売れるのはレプリカユニフォームです。

「ファンがどの瞬間にどの選手のユニフォームを欲しくなるか」、そのマーケティング行動を読み取ってしっかりと在庫切れのないように対応することをオフィシャルサプライヤーは約束します。例えばまだ無名の選手が日本シリーズで代打逆転サヨナラホームランでも打てばいきなり需要が上がりますからね。




MLB一括契約によるビッグビジネス

前述の通りメジャーリーグでは、オフィシャルサプライヤーは運営団体であるMLBとの一社独占契約となり、今後はナイキが全30チームのユニフォームを提供します。試合用ユニフォームからトレーニング用のアパレルまで一手に引き受け製造します。

実は、当初はアンダーアーマーが同様の契約を結ぶことで発表されていました。ですが経営の見直しによりアンダーアーマーが辞退となり、ここにナイキが滑り込んで取り代わった形です。


このMLBとの一社独占契約について。

アメリカではスポーツはエンターテイメントとして商業化され一大ショービジネスとなっています。今回のナイキの契約は2029年までの10年間で10億ドル(約1,080億円)と言われています。

年間にならすと1年につき100億円です。
しかし向こう10年間にわたり全30チームのオフィシャルサプライヤーとなるベネフィットを考えると、年間100億円はナイキにとっても高くない金額だと言えます。


日本のプロ野球のユニフォームや帽子、ヘルメットには球団のスポンサーとなっている企業のロゴが入っています。しかし、メジャーリーグのユニフォームには企業ロゴの類は一切入っておらず、オフィシャルサプライヤーのロゴのみでしっかりとブランディング統制がなされているのです。




グッズの覇権を握るファナティクス社

日本ではTシャツやレプリカユニフォームのタグを見てみると知らない会社の名前が入っていることがありますね。

2020年現在では、グッズのライセンス生産・管理する権利をファナティクス社が持っています。今後はパートナーとなるナイキの公式コレクションをMLB公式サイトや各チーム、一般小売店などに対して展開していきます。

ファナティクスは野球だけでなくNBAや欧州サッカー大手クラブなどのグッズの企画製造、小売機能等を担い、そのパートナーシップの規模は全世界300以上のチーム・リーグにわたります。日本でもソフトバンクホークスがファナティクスと2019年3月から10年間の契約を結んでいます。

また広告やSNSを活用したデジタルマーケティングを積極的に行うなど、ファナティクスはスポーツ分野におけるマーチャンダイジングのリーディングカンパニーと言えます。

 

以上のように、ユニフォームひとつ取っても日本とアメリカではそのビジネスモデルが異なります。

ですが共通して言えることは、
オフィシャルサプライヤーには、「マーケティングやブランディングに対して共同で取り組み、競技のさらなる普及や発展のために一緒に考え行動できるパートナーシップが求められる」という点です。

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